NISAを利用した投資商品として、「オルカン」と「S&P500」の2つが人気です。実際に投資信託協会の発表によると、2024年にNISAを活用した投資資金の流入額は、1位がオルカン、2位がS&P500でした。
どちらも多くのメディアで紹介されていますが、違いがわからないため、どちらを選べばいいのか悩んでいる方もいるでしょう。
本記事では、オルカンとS&P500のメリットやデメリット、選ぶ際の基準について解説します。
オルカンとは?メリットとデメリット
オルカンとは、世界各国の株式に分散投資できる投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称です。
オルカンは、全世界株式指数に連動したインデックスファンドで、47か国の主要な銘柄で構成されています。
とはいえ、2025年8月時点で60%以上が米国の株式で構成されているため、米国経済の影響を強く受けます。
S&P500と比較した際の、オルカンのメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・新興国の株式が大きく伸びた場合はリターンが大きい ・幅広い地域に投資しているため、リスクを分散できる | ・米国株が大きく成長した場合のリターンが少ない ・経済情勢が不安な新興国の株式も少し含まれている |
新興国を含めた幅広い地域の株式に投資しているため、リスクを分散できているのが特徴です。
S&P500とは?メリットとデメリット
S&P500とは、米国の主要企業500社の株式で構成された株価指数です。オルカンと比較される際のS&P500とは、一般的に投資信託「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を指します。
オルカンと比較した際の、S&P500のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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・世界経済をリードしてきた米国の幅広い優良企業に投資できる ・米国の経済指標や政策を参考に価格変動が予想しやすい | ・米国経済の情勢に大きく左右される ・新興国が台頭してきた場合は、リターンが見劣りする可能性がある |
競争力が高い米国の主要企業に投資するため、今後も安定した成長が期待できます。ただし、米国経済の状況が投資成績に直結するので、リスク分散という観点ではオルカンに劣ります。
米国経済に期待するならS&P500、リスクを抑えたいならオルカン
両者の特徴を踏まえると、今後も米国経済が大きく成長し続けると思う方には「S&P500」、リスクを分散したい方には「オルカン」が適しています。
とはいえ、どちらの投資信託も、もう一方の特徴を併せ持っています。
オルカンの構成比率は60%以上が米国企業であるため、S&P500ほどではないにしろ、米国経済の影響を受けやすいです。
また、S&P500に含まれる米国の主要企業はグローバルに展開していることが多く、新興国の経済成長を取り込める面もあります。
どちらも投資信託なので、少額から投資ができます。選ぶのが難しい方は、両方に投資することも検討しましょう。
まとめ
どちらの投資信託も一長一短があり、どちらを選べばいいという正解はありません。本記事の内容を参考に、自分の価値観に合うほうを選択しましょう。
資産形成をするには時間がかかるため、両方の特徴を把握したうえで、長期的な視点で投資を続けることが大切です。
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